映画:「仄暗い水の底から」怖いより悲しい
若い頃にみたホラー映画: 「仄暗い水の底から」というリングや呪怨などに次ぐ日本のホラー映画の金字塔といえる作品です。
学生の頃に見た記憶がありますが、当時も湿気が多く、終始嫌な感じがして、ジメジメとした恐怖が漂っていたように記憶しております。
怖かったーという感想で、ところどころ脳内に記憶されているので、そういうトラウマを与える映画としても、本当に怖かったです。
令和になり、この映画の解釈が一味違うものになりました。
育児放棄、虐待(ネグレクト)がまねいた不遇な少女の悲しい物語でもありました。
仄暗い水の底からのあらすじ
離婚調停中で5歳の娘・郁子の親権を争う母親・淑美が、古びたマンションへの引っ越しを機に、怪異や未解決の幼女失踪事件に巻き込まれていく心理ホラーです。
以下は、引用させていただいた5分で読めるあらすじです。
あらすじをテキストで読む
松原淑美は現在、離婚調停中。幼い娘・郁子の親権を夫には絶対に譲れない。そのために、娘と二人で問題なく生活できることを示さなきゃいけない。まずは住まいを探すため、いくつも不動産屋を回った末に古びた団地に辿り着くの。建物全体が湿っぽくて嫌な感じがしたけど、郁子が気に入ってしまいそこに住むことに決めたんだよ。内見の途中、郁子が屋上で子供用の赤いバッグを拾う。団地には子供がいないらしく、持ち主は分からない。その時は、ただの忘れ物だと思っていた。
松原母娘の新居は305号室。この団地って結構音が響くようで、上の階からバタバタ走る音が聞こえてくるの。「私たちも気を付けなきゃ」なんて言ってると、天井からポタポタ雨漏りがして引っ越し早々もう最悪。管理人は何もしてくれないし自分で原因を突き止めようと上の405号室に向かったけど、誰も出てこないの。諦めてエレベーターに乗ったその時、405号室の扉が開いて黄色いレインコートを着た女の子の姿がチラリと見えたんだよ。
ある日、就職活動中の淑美は面接が長引いてしまい幼稚園のお迎えに大幅に遅れてしまう。淑美がたどり着いた時には、夫が郁子を連れて帰るところだったんだ。無理やり娘を取り返し帰宅する途中、花火を楽しむ家族を目にする。郁子の「ママだけで平気だよ」という言葉に胸を詰まらせた淑美は、花火を買って団地の屋上へ向かったの。そこで再び、レインコートの少女を目撃するんだ。一瞬のことで気のせいかとも思ったんだけど、屋上には処分したはずのバッグが落ちていた。気味が悪くなった淑美はバッグをもう一度捨てた。
それから郁子の様子がおかしくなっていく。見えないお友達と話したり、幼稚園でレインコートの女の子に遭遇したり、そして熱を出して寝込んでしまう。園長先生に「子供の異常は家庭環境が原因」と嫌味を言われ、その際に淑美は数年前に行方不明になった園児・美津子の存在を知るの。美津子は黄色いレインコートに赤いバッグがトレードマークだった。
天井の雨漏りはますますひどくなる。淑美が郁子の看病でうたた寝をしてる間に、雨漏りの水が大量に垂れて来た。気づいた時には郁子の姿は消えていて、心当たりを必死で捜索したけど見つからない。何かを察知した淑美は405号室へと向かう。
部屋は異常なほど水浸しになっていて、その中に虚ろな表情の郁子が佇んでいた。そこはかつて美津子とお父さんが住んでいて、今は空き部屋だった。
怖くなった淑美は再度引っ越しを考えるも、親権争いで不利になるからと弁護士に説得され団地に住み続けることを選ぶ。雨漏りも収まり、仕事にも慣れ、郁子の体調も回復していった。少しずつうまくいきはじめた頃、郁子の幼稚園リュックの中からあのバッグが出てきたんだ。「知らない」という郁子の手からバッグを取り上げた時、淑美の脳裏に貯水タンクに沈みゆくバッグのイメージが流れ込んできた。淑美が一人屋上へ向かうと貯水タンクに異常が起きていて、大量の水が溢れ出ていた。その水を介して美津子の記憶が流れ込んで来た。業者がタンクの点検時に蓋を閉め忘れ、そこに落下してしまった美津子はその後発見されることなく、今もまだ貯水タンクの中にいる…。
その頃305号室ではお風呂の蛇口から勝手に水が流れ出し、満杯になった浴槽から腕が伸び、郁子を引きずり込んでしまったの。部屋に戻ってきた淑美が目撃したのは、浴室で倒れる郁子の姿だった。急いで郁子を抱きかかえエレベーターに乗った淑美。その時305号室の扉が開き中から女の子が出てきたんだけど、それはなんと郁子だったの。今抱えているのは一体誰?淑美の腕の中にいたのは、どろどろになった美津子だった。ママ!と泣き叫んで近づいてくる郁子を制止する淑美。美津子に向かい「私がママよ」と言い、美津子を受け入れるとエレベーターは最上階へと動き出した。
それから十年後、郁子は高校生になっている。お父さんや、新しいお母さん、妹たちと一緒に暮らしているんだけど、居心地の悪さを感じているみたい。幼い頃の記憶はほとんど残っていなかったけど、何かに導かれるように廃墟となった団地を訪れるの。305号室に足を踏み入れるとそこは当時のままの姿で、10年前と全く変わらない様子の淑美が現れたんだ。「ママと一緒に暮らしたい」という郁子に、淑美は「ごめんね」と言う。その側には黄色いレインコートの少女がいた。そして次の瞬間、二人の姿は消えていたの。母の愛を知らずに亡くなった美津子の魂を慰め、そして郁子を守るため、淑美は今もあの団地に留まり続けていた。すべてを悟った郁子は、静かに団地を後にした。
あらすじを終わります。
シンプルに、可哀想。
お迎えにきてくれないので、1人で黄色いレインコートをきて赤いバックを下げて歩き続け、挙句に貯水槽に入ってしまったみずこちゃん。
行方不明になったみずこちゃんが住んでいた団地に引っ越してきたシングルマザーのよしみさんは、このみずこちゃんが追い求めたママに自分がなることで、実の娘いくこちゃんを守りました。
ネグレクト・育児放棄さえなければ…
今もふわふわと放置されているお子さんや、しっかりネグレクト状態のお子さんがいるので、この映画は社会問題を表しているなと感動しました。
ホラー激強のため、描写はしっかり怖いのですが、自分もみずこちゃんなら同じように彷徨い、寂しくて、優しそうなママを追い求めてしまうよなぁと同情してしまいました。
いくこちゃんからしたらたまったもんじゃないですが!!
なんだかとても心にぐっとくる作品でした。