2021.5.17
ヒメアノールを観た感想!
ヒメアノールを観ました。
古谷実の作品は、ずっと笑いメインで
読めば、必ず笑えるのが良かったわけです。
でも、シリアスな方の古谷実の作品は、異常なまでに怖い!こわすぎる。
ホラーとかそういうのとは分野の異なるこわさですけど、“人怖“ですね。
その問題作を映画化してよく出来過ぎたのかもしれません。
森田役の森田剛が森田すぎて森田剛、超こわいです。
ヒメアノールを観た方の感想にも述べられていましたけど、森田は何を考えているのか分かりません。
平気で嘘をつきます。
言ったのに、俺、そんなこと言ってないよ。
って平然と言います。
数秒前の会話ですら、支離滅裂。
やべー奴そのまんまです。
人格が壊れている相手に対しては、同情の余地は、一切ないのだと気付かされます。
ユカちゃん役の佐津川ちゃん、可愛いくて良かったです。
岡田役の濱田岳君、相変わらず演技上手いです。
見ていて、安心できます。
面白さの中に、恐怖が入り乱れてるざわざわ感、圧倒的古谷実感!!常識人としての好演、お見事でしたああああ。
安藤役のムロツヨシ。
変態感が素晴らしかったです。いつもは、濃いキャラ設定が多いため、他の配役を喰ってしまいがちですが、本作は不気味感はありつつも前半のコミカルさがよかったです。
で、問題は、森田役の森田です。
業界内でも演技が巧すぎると、評判が良いわけで、観ている者を作品に引きずり込む力がすごいです。すごすぎる。
本当に狂ってるんじゃないかと、現場にいた人達のことまで心配になるほどの、森田の鬼畜っぷり、不気味な雰囲気が伝わってきました。
見終わった後の、後味の悪さは、かえって癖になりそうです。
ニューエンターテイメント!!
この手の役で、森田剛の右に出る者はいないんじゃないかなと思います。
作品は、前半は明るくコメディタッチなのに、後半はダークテイストで、笑えません。
底辺は、底辺の中で鬱屈しながら生きていくしかない。
森田の開き直りは、絶望すらも超えてしまっています。心がない人間てのは、彼のような感じなのかもしれません。
ラストに、やっと森田の人間らしい人格が見え隠れします。でも、やっぱりどこか恐怖があります。
てか、これを描いている古谷実が一番こええ。
毎日に退屈している方、是非見てみてください。
ヒメアノール